こんにちは!都内在住の子持ちサラリーマン、のんびりコアラです。
突然ですが、みなさんは自分の投資している(もしくは投資予定の)金融商品の性質を理解していますか?
という人も多いかと思います。
金融商品の性質を理解し、ご自身の投資スタンスを理解することはとっても重要です!
金融商品の性質やご自身の投資スタンスを理解していないと、
- 個別株に投資して暴落したんだけど損切すべき?
- ETFに投資しているんだけど、全然利益が伸びないからそろそろ個別株に乗り換えるべき?
といった判断ができません。
今回は各金融商品の性質を説明します。
ご自身の投資スタンスで
- どの投資対象に、
- どの程度割り振りするか
を考える参考になれば幸いです。
金融商品の整理
金融商品の分類
金融商品は大まかに以下の5つに分類できます。
- 預貯金
- 債券(国債、社債、地方債)
- 投資信託(積立NISA、iDeCo含む)、ETF
- 個別株投資
- FX、仮想通貨
それぞれについて、以下の評価指標で見ていきます。
- リスクリターン
- インフレ
- 流動性
用語解説1:
リスクリターン
リスクというと、危険性といった意味合いで使われることが多いですが、金融業界では「リスク」という言葉は違う意味合いで使われます。
金融商品のリスクの定義については、日本証券業協会のHPに記載されています。
一般的にリスクとは「危険なこと」「避けるべきこと」という意味で使われていますが、
資産運用の世界では、リスクとは、「リターンの不確実性の度合い(振れ幅)のこと」を表しています。
つまり、「リスクが大きい」とは、「大きく収益が得られるかもしれないし、大きく損失が出るかもしれない」という意味です。
用語解説2:
インフレ
インフレとは「インフレーション(inflation)」の略です。
端的に言うと、モノの値段が上がることですね。
インフレには現物資産(不動産や金など)が強いと言われています。
モノの値段が上がって売上が上がることで企業の業績も伸びるので、株もインフレに強い資産と言われていますね。
用語解説3:
流動性
流動性は、容易に換金できるかどうかということです。
ご自身がすぐに手元に資金が必要になる状況で、流動性に乏しい投資対象からの換金であった場合には損する可能性が高いので要注意です。
各金融商品の特性
投資先その1:
預貯金
微々たるものですが、預けることで金利がつくので、預貯金も立派な投資先ですね。
リスクリターン | 元本保証だが、金利が非常に低い(年率0.001%)ので、リターンに乏しい |
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インフレ | 預けているお金は増えないので、インフレが起きている場合には要注意 |
流動性 | 既に換金されている |
預貯金のみでその他投資しない場合のリスクについては別記事で書いていますので、よければご覧ください。
>>【一度は考えたい】投資しないことで起こる3つのリスク
投資先その2:
債券(国債、社債、地方債)
債券は、国や企業が資金を調達する際に発行する有価証券のことです。
債券を買うことによって、投資家は分配金を受け取ることが出来ます。
また、満期になったら全額返金されます。
格付けにより債券によっても利率に変動があり、最も安全な国債(国が発行する有価証券)では最低利率0.05%(固定3年、5年)となっています。
債券のメリット、デメリットは以下と考えられています。
- 満期が来たら全額返金される(元本割れのリスクが少ない)
- 保有期間中は定期的に利子が受け取れる
- 途中での解約も可能
- 発行体が倒産または財政難になった場合は、元本が保証されない
- 途中で売却する場合には、債券価格の変動により元本割れする可能性がある
- 外国債を購入している場合には、為替差損が発生する場合がある
- 利率が低いため、これから資産を増やしたいと考えている人には不向き
リスクリターン | 投資先が倒産または財政難にならない限りは元本割れのリスクはないため安全な投資先の一つとして考えることが可能。一方、金利は低く設定されているため、リターンも低い |
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インフレ | 預貯金と同様、インフレに対しては弱い |
流動性 | 途中で解約すると元本割れする可能性があるため、満期まで保有することがベース。株など他の投資対象よりも流動性は劣る |
投資先その3:
投資信託、ETF(積立NISA、iDeCo含む)
ここからは前の預貯金や債券と違って元本割れする可能性が高まりますね。
投資信託、ETFのそれぞれも分散投資の色合いを持っているものの、少し意味合いが異なっています。
それぞれの商品の特性を理解して、ご自身の投資スタイルと照らし合わせましょう!
投資信託(積立NISA、iDeCo含む)
投資信託の中に、積立NISAやiDeCoが含まれます。
まずは投資信託の意味について理解しておきましょう。
投資信託協会HPで、投資信託は以下のように説明されています。
「投資信託(ファンド)」とは、一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
投資信託の運用成績は市場環境などによって変動します。投資信託の購入後に、投資信託の運用がうまくいって利益が得られることもあれば、運用がうまくいかず投資した額を下回って、損をすることもあります。このように、投資信託の運用によって生じた損益は、それぞれの投資額に応じてすべて投資家に帰属します。
つまり、投資信託は元本が保証されている金融商品ではありません。
この点は銀行の預金などとは違うところですので注意が必要です。–投資信託協会、投資信託を学ぼう、より
投資信託の詳細な説明については、また別記事で行います。(予定)
ここでは、投資金を投資信託に預けることで、投資信託が株や債券などに分散投資してくれると理解してもらえればOKかと思います。
投資家は、運用利益分から手数料や信託報酬を差し引いた分が利益として渡されることになります。
ここでは、簡単に投資信託のメリット、デメリットを記載しておきます。
- 専門家に運用してもらえるので、投資商品を自分で選択する必要がない
- 専門家に運用してもらえるので、自分で選ぶより変動リスクが少ない
- 資金が少なくても少額から投資が可能
- 資金が少なくても(結果的に)分散投資されている
- 積立NISA、iDeCoを利用することで税制優遇を受けられる
- 換金するまでに、平均4~5日程度時間を要する
- 購入先の価格変動により、元本割れする可能性がある
- 投資信託先がたくさんあり、選択を誤ると元本割れする可能性が高まる
- 自分で運用しないため、損失を被った時に何の成果(経験など)も得られない
なお、金融庁発表の資料では、投資信託に預けた場合の運用損益別顧客比率は以下になっています。
0%以上の比率は、2018年度は54.2%、2019年度は65.1%となっています。
-投資信託の運用損益別顧客比率-
–『販売会社における比較可能な共通KPIの公表状況|金融庁』
リスクリターン | ~ 投資信託報酬も加味してリターンを考えることが重要 |
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インフレ | 株や債券により資産を分散しているため、ある程度インフレに連動する |
流動性 | 換金するまでに数日かかるため、少し流動性が低くなる |
積立NISAは金融庁の基準(分散されており、手数料が安く、運用が安定している)を満足する投資信託のみが採用されています。
ETF
ETFも投資信託の一種です。まずは意味について押さえておきましょう!
ETFとは、証券取引所に上場し、株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託で、「Exchange Traded Funds」の頭文字をとりETFと呼ばれています。
日経平均やS&Pなど既に分散されている指標に連動することで、間接的に分散投資を行っているということです。
ETFのメリット、デメリットについても整理しておきます。
- 投資信託に比べて信託報酬が(圧倒的に!)低い
- 単元株と違って、1口から投資が可能
- 市場内で売買が可能なため、流動性が高い
- ETF自体が分散投資されているので、分散投資が可能
- 商品の分散投資が効いていない(株、債券、コモディティなど単一指標に対する連動のため)
- 積立投資や分配金再投資は手動で行う必要がある
- 市場価格と投資信託の基準価格に乖離が生じた場合には、損失を被る可能性がある
- 投資先のETFが上場廃止した場合に買い手がつかず、損失を被る可能性がある
ETFについてもまた別記事で投資信託と合わせて紹介したいと思います。
リスクリターン | ~ 優良ETFに長期的に積み立て投資することで、リスクを減らしながらリターンを享受することも可能 |
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インフレ | 指数連動型なので、インフレにある程度の対応が可能 |
流動性 | 売りたいときにいつでも市場内で売ることが可能 |
…ちょっと休憩
投資先その4:
個別株投資
ここからは更にリスクが上がりますね。みんな大好き個別株投資!
個別株は、証券会社から株を購入し、色んなメリットを享受します。
ネット証券では売買手数料が下がっているため、参入しやすいのも特徴ですね。
個別株ではインカムゲイン、またはキャピタルゲインの二種類によって利益を得ます。
インカムゲイン:定期的に支払われる配当金により得る利益
キャピタルゲイン:購入時よりも値上がりすることで売却時に得る利益
その他にも株主優待の恩恵を受けることが可能ですね。
投資スタイルは様々です。
- インカムゲイン狙いの高配当株投資
- キャピタルゲイン狙いの高成長株投資
- キャピタルゲインを狙いつつ、少額の配当によるインカムゲインを享受するハイブリッド投資
- 株主優待狙いの安定株投資
簡単に、個別株投資のメリット、デメリットについても整理しておきましょう。
- 自分の投資スタイルに合った投資を行うことが可能
- 投資先企業の成長度合いによって、かなりの利益を見込むことが可能
- 株主優待を受け取ることが可能
- ネット証券を利用することで、少額の手数料で売買が可能
- NISAを利用することにより税制優遇を受けられる
- 業績悪化等により元本割れする可能性が高い
- 投資先企業の出来高(一日の取引株数)が少ないと、売買したい際に希望の金額で売れない
- ある程度まとまった資金が必要
リスクリターン | ~ 投資先を正当に評価できればリスクに見合ったリターンを得ることが可能 |
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インフレ | 投資先企業のモノの価格も上がり、売上も上がるため、インフレに対する |
流動性 | 各証券会社を通じて換金することが可能 |
投資対象の個別株は、リターンを得ることよりもまずは損しないことを考えましょう。まずは市場に慣れることが重要です。
投資先その6:
FX、仮想通貨
FX、仮想通貨については他の投資先と違ってゼロサムゲームと言われています。
また、レバレッジをかけることで多くの利益(または損失)を得ることが出来るのがFX、仮想通貨の特徴ですね。ロスカットをきちんと設定しておかないと借金を負う可能性も生じます。
仮想通貨はものすごく値動きが激しいことも特徴です。
リスクリターン | レバレッジをかけることで大きく利益を得ることが可能だが、借金を背負うほどの損失を被る可能性もある |
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インフレ | 測定不能。投資先国の金利対策に連動 |
流動性 | すぐに換金することが可能 |
纏め
いかがだったでしょうか。
それぞれの投資対象の特徴を理解することで、自分の投資スタイル(ライフスタイル)に合った投資先かどうかを確認することができますね。
みなさんの理解に役立てたら幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
それでは!