みなさんは投資の選択肢に高配当株を考えてますか?
なんて人はいないと思いますが、
と思われている人はいるかもしれません。
投資をしている人なら高配当株への投資は検討の一つですよね。
なんて僕も思っています笑
高配当株投資のメリットは、
- 銀行よりも遥かにリターンが高い
- ほったらかし投資で長期投資に向いている
- 配当により株価が下支えされる(下振れしづらい)
- 企業の成長とともに配当金も増額になるケースがある(キャピタルゲインも見込める)
ですね。
ただ、「配当取りは命取り」という言葉もあるように、配当金に目がくらむと損をする可能性も生じるので注意が必要です。ミイラ取りがミイラになるように、配当を取りに行ったはずが、塩漬けになるというケースも後を絶ちません。
含み損の世界へようこそ...
直近では、長年減配を噂されていたJT(株)がついに減配になったことは記憶に新しいです。
また、高配当株は成長が鈍化している場合が多く、株価の変動も大きくないので、資産が増えていない感覚に陥ります。
- 元本割れする
- 資産が増えていない感覚に陥る
というものです。
今回は、高配当株投資に潜む罠と、高配当株投資の僕なりの判断基準をお伝えします。
※投資は自己責任です。最終的な投資判断についてはご自身にてお願いします。
高配当株投資に潜む罠について
元本割れする
一見すると高配当に見えるものの、元本割れする高配当株の種類は様々です。
例えば、、、、
- 業績が悪く、株価が下がることで高配当に見える(のちに減配)
- 記念配当などで、その年だけ高配当
- 業績が安定しておらず、配当がその年によって異なる
といったことですね。順々に見ていきましょう。
例1:
株価の下落とともに、配当利回りが高く見える(のちに減配)
投資家が企業に投資をすることで、企業は利益の一部を投資家に分配する、これが配当金ですね。
配当金イメージ(※実際の投資家はこんなかっこいい人ばかりではありません笑)
なので、業績が悪くなると減配することは理解しやすいかと思います。
例えば高配当株の一つとして挙げられていた日産も、カルロス・ゴーン氏が辞めたのちに業績が悪化し、無配に転落しました。
※日産(7201)の週足チャート
実際には、無配が発表されたのは2020年7月時点ですが、その前から業績は既に株価に織り込まれてきています。
日産のトレンドは右肩下がりで、業績が悪化⇒株価が低下⇒配当利回りが(見た目)高く見える⇒その後無配、という流れですね。
なんてことになると、ミイラ取り1号の出来上がりですね笑
投資検討先が安定して利益を出し続けているか、配当性向(利益に対する配当割合)に余力があるのか、配当を継続して出し続ける姿勢を見せているのか、決算短信数年分を並べて確認することが必要です。
例2:
記念配当などでその年だけ高配当になっている場合がある
企業は創立10年や20年などといった節目で記念配当を出すことがあります。
そのため、一見して高配当に見えても、翌年には配当が元に戻るパターンもよくあります。
例1の時と同様に、配当金推移を数年分見比べて、前年度だけ上がっている場合には注意が必要です。
例3:
業績連動型で、業績が景気の動向に左右される
株はディフェンシブ銘柄とシクリカル銘柄と分類されます。
景気動向に左右されない銘柄。生活必需品である食品や医薬品、社会インフラである電力・ガス、鉄道、通信などの企業が代表的
ディフェンシブ銘柄とは反対に、景気動向に左右される銘柄のことです。景気循環銘柄とも呼ばれます。景気の動向により、消費者の買い控え等が入ると影響を受けます。素材やテクノロジー、工業系などの企業が代表的です。
単一年度で見ると業績がよく、高配当に見える銘柄の中には、シクリカル銘柄も含まれます。
安定的に高配当を得たいという場合には、検討対象がシクリカル銘柄で景気の動向に左右されやすいかを検討に入れた上で投資判断を行いましょう。
ディフェンシブ銘柄の中でも電力は東日本大震災の影響を受けて株価は元に戻ってきていません。2007年から省エネによる電力需要の低下もあり、2007年からずっと落ち続けています。改めて投資に絶対はないと思わされますね~
※関西電力(9503)の年足チャート、20年分
資産が増えない感覚に陥る
長期投資で始めたものの、高配当株は資産がなかなか増えない感覚に陥ります。
配当金支払いは大抵は半年に1度なので、半年ごとに資産が増えるのみです。
高配当と言えど、配当は4~5%なので100万円預けて年に4~5万円の配当金を得るのみ、といったことになります。
その間にもし株価が10%程度落ちてたら、トータルでマイナスなので増えてる実感は持てませんよね。配当金以上に日々は株価が変動するため、業績がいい(または安定している)銘柄を選定しないと資産が増えない感覚に陥ります。
高配当株の投資判断基準について
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高配当株投資の罠についてお伝えしてきました。次は高配当株の投資判断基準についてお伝えします。ここからは、増配最長(32年連続)銘柄である花王(4452)を元に説明していきます。
ちなみに花王の配当推移はこんな感じです。
※花王ホームページより引用
- 安定して配当を支払えるだけの利益が出せているか
- 利益に対する配当割合(配当性向)にまだ余力はあるか
- 経営者が配当を継続的に出す意志はあるか
安定して配当を支払えるだけの利益が出せているか
高配当株投資に潜む罠でお伝えしてきた通り、高配当である以上に、業績が上向きかどうかが何よりも重要です。安定して配当を支払えるだけの利益が継続して出せているかを、決算短信や報告書などで数年分確認するようにしましょう。花王はホームページ内で業績のグラフを公表しています。
2020年度はコロナ禍における化粧品やヒューマンヘルスケア事業で需要が落ち込んだものの、安定して利益が出ています。フリーキャッシュフローも安定していますね。
利益に対する配当割合(配当性向)にまだ余力はあるか
利益の一部から配当をどの程度出しているかを測る指標に、配当性向と呼ばれるものがあります。
例えば、花王は2020年度は当期利益が1260億円に対して674億円の配当金を支払っているので、配当性向は53%といった具合です。
業績を確認する際には、合わせて配当性向をどの程度に設定しているか、まだ配当余力が十分にあるのかを見極めるようにしましょう。
ちなみに、米Amazon社は配当を出さないことで有名です。
利益を再投資し、会社が成長することによる株価成長によりキャピタルゲインを得る方が配当を出すより株主に還元できると考えているからですね。
花王の配当性向は40%を目標としているようです。このコロナ禍では需要の落ち込みによる利益減少があったため、配当性向が上がりましたが、まだ余力はありそうですね。
※花王ホームページより引用
経営者が配当を継続的に出す意志はあるか
経営者がどの程度の株主還元を考えているかは、企業ホームページの投資家情報にて確認することが可能です。
最近では配当性向を40%に掲げる企業も増えてきており、中には三菱商事のように中期計画で累進配当を掲げている会社もあります。
コロナ禍では一時的に業績が落ち込む企業が増えましたが、その分配当金に対する各社のスタンスも明確になりました。
三菱商事は2021年度配当性向は114.7%と、利益以上に一時的に配当を出していました。
今後どのように推移していくかは要観察ですね。
纏め
高配当株投資に潜む罠とは、
- 元本割れする
- 資産が増えていない感覚に陥る
ということでした。
個別株投資は企業の業績によってその後の戦略が変わってくるので、元本割れしないだけの利益を出せているのかは、四半期ごとに出てくる決算短信を見て確認するようにしましょう。
また、高配当株と織り交ぜて、「将来増配になりそう」かつ「好業績でキャピタルゲインも狙えそう」な銘柄を狙っていくのがいいのではないかと個人的には思っています。
いい投資ライフを送れるよう願ってます!
それでは!